病院。多くの人は、そこで初めて福祉用具を経験することになります。退院後も福祉用具を使う人にとって、その経験がどんなものだったのかはとても重要です。
たとえば車いす。
病院で車いすを動かす練習をすると、ひとつの学習が形成されます。しかし、これがサイズもセッティングも最適化されていない状況で行われた場合、退院後にどれほど自分に適した車いすがやってきても、一度身体がおぼえた動きをリセットして再学習するのは容易ではありません。
たとえば私たちは、交通ルールを子供の頃から学習してきました。それが明日から「青は止まれ」に変わったら、運転はスリル満点なものになるでしょう。
時間をかけて習得したものほど、修正にも時間を要します。
私たちは、この課題に取組むチャンスを待っていました。